アイデアのつくり方 ― James Webb Young, 1988
対象者
- 発想力に悩む人
- 発想力を求められる人
僕も研究者のハシクレ。発想力を多分に要求される。しかし、僕には大した発想力がない。どうも理詰めばかりで遊び心のない思考回路を持って生まれてしまったようだ。
たくさん勉強をして、知識を蓄えることは嫌いではない。しかし、新しいことを考え出すとなると、途端に何も出てこない。
蓄えた知識を総動員しても、どうも面白みがなく、しかも新規性に乏しいアイデアになりがち。そんな僕の助け舟にならないだろうか、と淡い期待を持ち、読んだ次第。
良いアイデアというのは、僕たちに「おもしろい!」と感じせしめるもの。では、どんなアイデアを目の当たりにしたとき僕たちは「おもしろい!」と感じるだろうか。
思うに、「おもしろい」= 「意外」なのではなかろうか。
「そんな使い方があったのか」「そんな方法があったのか」「ありそうでなかった」
こうした感想を抱いて感心したり、はっとした時に、僕たちは「おもしろい」と感じる。
本書によれば、この「意外」こそ、アイデアの本質なのである。
それは、以下の一文に凝縮されている。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもないということである。
「アイデアのつくり方」, James Webb Young
画期的なアイデアというと、この世に存在しなかった途方もないものを想像しがち。しかし、完全に新しいアイデアは存在しない。必ず、既存のもの同士を組み合わせたものである。そして、その組み合わせが「新しい」とき、「おもしろい」ものが生まれる。
だから、おもしろいアイデアは僕たちに「意外」だと思わせてくれる。ということ。
僕が面白いアイデアを思いつけなかったのは、組み合わせが平凡だったからかもしれない。アイデアを出すためには、常にアンテナを広く張って貪欲に情報を蓄える姿勢、習慣が必要なのだ。関係なさそうな情報でも、とりあえず蓄えておく。この姿勢が、僕には欠けていたと気づかされた。
情報過多にもほどがある現代社会。簡単に情報が手に入るようになった現代は、アイデアを生む絶好の環境が整っていると言えるのではないだろうか。
アイデアを出す能力はこの先、ますます重要になってくる。人工知能の発達は本当にめざましいけれども、人工知能には決してできず、人間にしかできないことがある。それは、「新しいモノ」を生み出すこと。
単純な作業やデータの収集・管理・抽出は人間の仕事ではなくなりつつある。これからは、ゼロからイチを生み出せる人間が生き残る時代になるかもしれない。ぜひ、本書に記されたアイデアのつくり方を身につけ、実践したいものだ。
